金属アレルギー治療|兵庫・神戸市でアレルギーフリー治療なら「さとう歯科」

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Ⅰ 金属とアレルギーの関係

金属アレルギーのこと、知っていますか?

アレルギーを引き起こす原因となるものを「アレルゲン」といいます。アレルゲンには食べ物や植物、動物、ハウスダストなどさまざまなものがあります。そして、その一つに「金属」があるのです。

歯科治療では、古くからつめ物やかぶせ物のほか、かぶせ物の土台などに金属が用いられてきましたが、近年それらが金属アレルギーの原因になっていることがわかってきました。

こちらではDr.佐藤が、金属とアレルギーの関係について、またそもそも金属アレルギーとはどういったものなのかをご紹介します。

私たちの生活は金属に囲まれている

金属は生活の中で欠かせないものとなっています。私たちは、実に多くの金属に囲まれて生活しているのです。

生活の中にある金属

  • 硬貨
  • ネックレス、指輪、イヤリングなどの装飾品
  • 時計
  • 蛇口
  • 缶詰
  • ドアノブ
  • コンピューター
  • 機械
  • 建築材料 ほか

金属は、「丈夫」「細工・加工しやすい」「美しい」などといった性質を持っており、それを活かしてさまざまなものがつくられています。その結果、手を伸ばせばすぐ届くところに金属があるという状態になったのです。

私たちの身体に欠かせない金属

金属が存在するのは、生活の場だけではありません。実は私たちの身体の中にも、たくさんの金属が存在しています。金属は生体の構成成分として、また生体内で起こるさまざまな化学反応をつかさどるためにも欠かせないものなのです。

人間の生命維持に欠かせないおもな金属

  • マンガン
  • 亜鉛
  • コバルト
  • モリブデン
  • セレン 
  • クロム
  • ニッケル ほか

これらの金属は、腸管での消化吸収反応、肺でのガス交換ほか、さまざまな臓器における代謝反応などにも関連しています。金属は生命の維持には欠かせないものであり、不足すれば病気になったり、体調を崩したりすることもあるのです。

健康に関わっている金属の例
鉄(イオン)が不足すると鉄欠乏性貧血を招きます

鉄欠病性貧血とは、体内の鉄が不足してヘモグロビンが生成できなくなって起こる貧血です。ヘモグロビンは赤血球の中にあるたんぱく質の一種で、全身に酸素を運搬する重要な役割があります。そのヘモグロビンには鉄が含まれているため、鉄が不足すると生成できなくなってしまい、生体維持に必要な酸素などを運搬することができなくなってしまいます。

体内の鉄分量が減少すると、まず鉄欠乏という状態を引き起こします。さらに鉄が減少するとヘモグロビンが生成できなくなり、鉄欠乏性貧血を引き起こす原因になります。その結果としてめまいや立ちくらみといった貧血の症状が現れます。そのほかにも顔色が悪くなったり、心拍数が増加したりといった症状が見られます。また鉄は少量ですが、皮膚や粘膜の組織、細胞の代謝に必要な物質に含まれており、生命の維持にも必要不可欠です。
また亜鉛不足が貧血の原因になる場合もあります。亜鉛は赤血球の構成成分のため、不足すると貧血の症状が現れます。貧血以外にも亜鉛が不足すると口内炎、舌炎、代謝障害を引き起こすこともあります。

他にも、リウマチの症状を抑える薬に金が使われているなど、金属は本来生体にとって欠かせないものです。しかし現代、環境の変化などによって免疫の状態に異常をきたしてしまった人が増え、その結果異常免疫反応として「アレルギー」が招かれてしまうのです。

アレルギーとは?

アレルギーとして身近なものには、「花粉症」や「アトピー性皮膚炎」「ぜんそく」などがあります。これらは、「免疫の異常化」によって発症しています。

本来人の身体は、外部から入り込む敵を監視し、それを撃退する力を持っているものです。これが「免疫」です。しかし今日、私たちのまわりはさまざまな有害物質で満ちあふれ、かつては体内に取り込まれることはなかった多くの化学物質が入り込むようになりました。

その結果として免疫細胞に狂いが生じ、従来であれば反応することがなかった物質である、花粉やハウスダスト、ダニの死骸などに反応して攻撃をはじめてしまいます。これが「アレルギー」です。そして、その標的が金属に向かったことで発症するのが「金属アレルギー」になるのです。

免疫とは通常、外部から体内に新入してくる悪いものを撃退する、身体に備わった「防衛システム」です。しかし近年では、免疫が過剰な反応を見せる「アレルギー」が増えています。そして、その標的が金属に向かったことで発症するのが「金属アレルギー」となります。

金属アレルギーが起こる背景

金属アレルギーにかぎらず、アレルギーという現象は最近になって急激に増加しています。その背景には、「環境の変化」と「食生活の変化」が挙げられます。

環境の変化

現代の、また都会の環境は、工場などから排出される産業廃棄物や窒素酸化物、また車のディーゼルエンジンから排出される微粒子の硫黄酸化物など、さまざまな化学物質によって汚染されてきました。そのことから生体の免疫システムに狂いが生じ、アレルギーやぜんそくといった病気を招いているのです。

またとくに都会の水道水には大量の消毒薬が添加されており、飲食はもちろん、シャワーなどから経皮的に体内に吸収されることからも、免疫システムに異常を招いているともいわれています。

食生活の変化

近年、食生活は大きく変化してきました。たとえば外食やファストフード、インスタントやレトルト食品など、手軽にとれる食事が増えています。これらの食事には長期保存などの利便性が求められ、そのためにさまざまな保存料などの添加物が使われており、私たちは常に多くの化学物質を摂取しているのです。

化学物質を多く摂取することによって、体内の免疫をつかさどる細胞のバランスが崩れ、本来身体に必要である物質にまで攻撃がはじまります。これがアレルギー反応なのです。


Ⅱ金属アレルギーの症状

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参考文献

※本サイトの構築にあたり、下記の文献・書籍を参考にしています。

  • 『Dr.菊池の金属アレルギー診断室』東京堂出版。
  • 『GPのための金属アレルギー臨床』デンタルダイヤモンド社。
  • 『金属アレルギーとメタルフリー治療Q&A』医学情報社。
  • 『歯科と金属アレルギー』デンタルダイヤモンド社。
  • 『Visual Dermatology Vol.10 No.11,Vol.10 No.12,Vol.12 No.4』学研メディカル秀潤社。
  • 『皮膚科サブスペシャリティーシリーズ 1冊でわかる皮膚アレルギー』文光堂。
  • 『アトピー性皮膚炎: 正しい治療がわかる本』法研。
  • 『見分けて治そう! 歯科金属・材料アレルギー』クインテッセンス出版。